プラスの環境影響を及ぼせる環境側面について


紙、ごみ、電気。


取り組む対象として既に、定説になっているか。


そういえば、「定説です」って文句が、もう10年前くらいに流行った。
流行ったというより、そのフレーズを使う話題の人がいた、、ということだけど。。
かなり話はそれましたが^^;、、




本日のたわごとは、
ISO14001認証取得済みの組織(もしくは、認証取得を目指している組織)が取り組んでいる具体的な活動に着目して、その定説*1である(私がそう思っているだけだが。。)紙ごみ電気な活動と、プラスの活動をまとめておきたい。


目的は、紙、ごみ、電気の活動だけに留まらず、より発展的な拡がりのある活動にしたいと思っている企業が、私の勤務先の企業も含めて多々あると思ったから。(私の頭の整理のためにも)




先人の知恵というものは、ありがたいことですね、、
既に以下のサイトに、いろいろと具体例を挙げつつまとめられておりました。


 ◆経営に役立つ「プラスの環境側面」 株式会社テクノファ ホームページより
 ◆環境プランナー誌上講座 西嶋洋一 プラスの環境側面をとらえる 環境gooより


こんな本もあるし、
(以下は上記サイトにも引用されているので、内容はかなり充実していると思われる)

ISO14000 経営に役立つプラスの環境側面のとらえ方―2004年版対応

ISO14000 経営に役立つプラスの環境側面のとらえ方―2004年版対応




ところで、
そもそもだが、
規格に照らして、ISO用語である「環境影響」と「環境側面」ってのは何か、というところから、復習しておきたい!^^/




ISO14001で取り組む活動ってのは、私流に言えば、『企業活動の結果として現れる環境への影響を、より地球に優しいようにコントロールしていく活動』であり、認証とは、『それらの活動が、年々成果があがる仕組みになっているかを確認すること』である。
つまり、環境影響とは、「企業活動の結果として現れる環境への影響」という"結果"であり、環境側面とは、その"原因"となる「企業活動」を指す。




正確には、以下の定義を参照。 #ISO14001:2004から抜粋#


 3.6 環境側面 (environmental aspect)
  環境(3.5)と相互に作用する可能性のある、組織(3.16)の活動又は製品又はサービスの要素。

 3.7 環境影響 (environmental impact)
  有害か有益かを問わず、全体的に又は部分的に組織(3.16)の環境側面(3.6)から生じる、環境(3.5)に対するあやゆる変化。



では、本日のお題とした、"プラスの"とは何か。
上記の規格の説明に照らして考えると、環境に有益な影響を与える活動、ということか。
※ちなみに、取り組む活動がマイナスであろうがなかろうが、認証取得云々には全く関係がない。活動が有効か否か、が重要である。


では、紙、ごみ、電気の活動はどうなのか?
「紙の消費」、「ゴミの発生」、「電気の使用」という現象は、どんな企業にも共通している、コントロールできる活動として存在しているのは、ご存知の通りだ。では、その活動は、プラスなのかマイナスなのか。


「環境に有益な影響を与える活動」か否か、という観点から考えてみた…


1.紙の消費に対して以下の対策をしたとする。
  ・紙はなるべく使わない。
  ・会議でプロジェクタを使う等してペーパーレス化を進め、これによって紙の量を減らす。


2.ごみの発生に対して以下の対策をしたとする。
  ・ごみの量を今よりも減らす。


3.電気の使用に対して以下の対策をしたとする。
  ・電気をこまめに消す。
  ・昼休みは真っ暗の中、弁当を食べる。。


結論を最初に言うが、
これらは、やらないよりはやったほうが環境には有益なこと、であるのは確かだが、"プラスの"とは言わないのだ。−"現在与えている環境負荷への対策はプラスとは言わない"のだ。 (By ISO14001審査員研修資料による)


ただ、活動をもう一歩進めてみると、例えば、2のごみの発生に対し、
「ごみを分別してペットボトルキャップを材料に換える団体に寄付する」等をしたらどうだろう??
これはプラスだ。


要は、"やらなくてもいいんだけど、やることによって環境への影響がよくなるもの"だ。表現は違うも、余分なこと(プラスアルファ)、とでも言おうか。


では、その事例を以下に羅列する。(先のサイトからの要約)


これらを見てると、『本業において、如何に環境負荷を低減できるかがキーだ』と言った、我が社に来たISO審査員の言葉が思い浮かぶ。紙、ごみ、電気という、どの部署でもできるような共通活動では無い、その活動の数々。



・環境配慮設計の実施(リサイクル材の利用、資源削減)
・環境配慮製品の販売
・環境改善技術の提供
・グリーン購入(環境配慮企業からの購入含む)
・自社の廃棄物のリサイクル業者選定
・設備の部品交換等による長寿命化
・リサイクル材の使用
・残土、汚泥等の使用
・雨水の利用
・排熱の利用
省エネルギー(断熱性改善、太陽熱利用等)
・輸送方法の改善(トラック等の運行距離の削減、ディーゼル車の廃止)
・効率化による生産リードタイムの短縮
・不良率低減によるエネルギー低減
・設計の簡易化による生産効率の改善、エネルギー低減
・組織の周辺のゴミ収集活動、環境意識の向上活動
・従業員の家庭への環境啓蒙
・環境意識向上のための教育、社外向けイベントの開催/参加
・構内植樹(屋上緑化)
・環境会計の導入と活用


先日のCPD研修では、同じグループになった受講生の方の話で以下のようなものもあった。
「私がエコアクション21で調査したとある木工所では、その会社の中には環境負荷が無かったが、材料の供給先の会社に無駄な木材の廃棄物があることがわかった。これを木工所側が指摘し改善させることは、その木工所にとってのプラスの影響を及ぼせる側面だ。」


これは、羅列した事例には無い、社外への、余計なお世話的、活動だ。
その木工所の最終的な顛末は知らないが、他社の廃棄物の取り扱いについての指摘が「余計なお世話」で終わるか、「廃棄物の量が減って、うちもコスト下がったよ、指摘してくれてありがとう」で終わるかは、その会社の指摘の仕方次第なわけで。




こんなの書いていて、思ったが、、
なぜ「ISOはコストがかかる」と言われるのか、上に羅列したものを見ても、少しわかったような気がした。
設備投資がいるようなもの(こと)ばっかり、、と。。


というわけで次は、ISO維持にはやはりコストがかかってしまうのか、という点について。"認証取得の意義"も含めて、また考えてみたいと思った。




以上。


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*1:一般的な説、常識、an established theory。