蒼穹の昴 3
風雲急を告げる大陸。
作中では、年号が突然、清暦から西暦に変わる。
1890年代、隣国日本ではまさに維新の夜明けであった。
いよいよ、人種も入り乱れ、その展開が速度を増す。
---彼は、昴、になれるか。
浅田次郎 著
- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/10/15
- メディア: 文庫
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すべてを奪われた王逸が、彼女に渡すことができた誰にも奪うことのできない財産。 即ち、---知。
「わからなくてもいい。帰って、おさらいをしなさい。宇宙は洪く、荒しない。君は希望に満ちた宇宙の中に生きているんだ。いいかね、小梅―」
王逸は立ち上がって、両手を広げ、大気を胸いっぱいに呼吸するそぶりをした。うちひしがれた小梅の肩を抱く。
「夢。希望。永遠。君の不幸は、洪荒たる大宇宙の中の、ほんのささいな、とるに足らぬ悲しみにすぎない。わかってくれ、小梅」
時代錯誤。 ---江戸から明治、清から中華民国。
いつの時代も後者が前者をそう呼ぶ、時代にそぐわぬ、と。
いつか、今の生活が"レトロ"と呼ばれる日が来るわけか。
サー・マクドナルドは懐中時計を取り出して時を見た。間もなく恭親王の馬車が、あの怖ろしい時代錯誤の行列を組んでやって来ることだろう。