蒼穹の昴 2


西太后、といえば、悪名高き鬼女帝。
だが、本書のそれはちと違うのだ。


苦悩する一人の人間。 時に、亡霊に話しかけたりもするのだが。
一族の、葉赫那拉(エホナラ)の呪いが、彼女を苦しめたのか。


 葉赫那拉氏 By Wikipedia




浅田次郎


蒼穹の昴(2) (講談社文庫)

蒼穹の昴(2) (講談社文庫)


ためになる指数 ★★★☆☆
おもろー指数  ★★☆☆☆




春児、開眼。



春児は愕きのあまり、その場にへたりこんだ。
「おいら、とってもできねえよ…」
「何を言ってやがる。手足の揃ったおまえにできないことはひとつもない。人間はできないと思ったら、まっすぐに歩くことだってできやしねえんだ。町に出て、ぐうたら生きているやつの格好を見てみろ。どいつもこいつも、野良犬みてえによろよろと歩いてやがる。胸を張って、しっかり前を見ながら歩くことが、一番むずかしいんだ」




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