諸葛孔明 上


天才軍師、その人を中心に綴られる三国志の世界。


吉川英治三国志での登場は、有名な「三顧の礼」からであるが、
著書では、赤ん坊時代の諸葛亮からその物語が始まる。


ドラマ仕立ての三国志演義ならぬ、
まるで教科書を読んでいるような解説本のため、
三国志を初めて読む方には取っ付き辛い小説、と思われるわけで。




陳舜臣


諸葛孔明〈上〉 (中公文庫)

諸葛孔明〈上〉 (中公文庫)




誤りなく彼も東洋の人である。と言った吉川英治は、
日本も東洋であるという意味で、「東洋」を強調したが、
本書では、「人」である、諸葛孔明の私生活が垣間見える。




kanjin的名場面は、
とある女性へのプロポーズの一幕。



「父はあなたのことを未熟ともなんとも申しておりません。ただ、おまえよりはすこしは背が高いと申しただけでございます」
「え・・・・・・」
孔明は意表を衝かれた。
「父はつまらない男の名なら口にしなかったでしょう。背のことしか申しませんでしたが、きっとすばらしいお方だとおもって、お会いするのをたのしみにしておりました」
綬は臆することなく言った。
「隆中の我が家は、いたって粗末であります」
と、孔明は言った。
「あたし、どこにでも住めるつもりでいます」
このかんたんなやりとりが、結婚の申し込みであり、承諾であったのだ。




ためになる指数 ★★☆☆☆
おもろー指数  ★★☆☆☆




静かなる三国志の調べ。




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