悩む力


朝まで生テレビ激論には、かなり出演率が高い、姜尚中
いやに難しい内容を話すんだけど、異様に優しい語り口な、とても印象に残る人で。




ブックオフ¥400なり。
2009年、上半期ベストセラーみたいだけど 作家もデフレだわね〜w




淡々としながらも、世の中のどうなるこうなる(どうなっているこうなっている)の核心を捉える。


潔くて気に入ったのは、「どうなる、どうだこうだ!そんで、俺はこうする!んだから、お前はどうするんだ!」という訴え。
印象的だったのは、逆説的だけど、"自由に縛られている現在"という語り。答えの選択肢がありすぎる自由世界だから、一つの解としてブームに飛びつくのか。
「上半期ベストセラー本、わ〜い、わ〜い♪」とか言ってる、俺も然りwww




自分は、
世の中のある事。---例えば、「デフレ、デフレ」と誰かが叫べば、「ドバイショックドバイショック」とテレビが叫べば、事ある毎に、意味付け、解釈を知りたくなってる。Wikipediaで検索し、Google先生に尋ね、どっかの解説で、本で、、と。


誰がいいの、何がいいの、どうすりゃいいの、延々と続く、答え探し。
たぶん、インターネットを覆うランキング社会が、この現代病にさらに拍車をかけた気もするのだが。




そんで、姜尚中は、
つまり「世の中は、こうなってるよ、俺はこうするよ、お前はどうする?」と語りかけるわけ。




  さて、俺のギアのニュートラルをどこに置くか。
  果たして、自分の居場所は?




姜尚中


悩む力 (集英社新書 444C)

悩む力 (集英社新書 444C)


ためになる指数 ★★★★☆
おもろー指数  ★★★☆☆





・「まじめたれ」
・中途半端で投げてはいけない。
・わけもわからないまま時代に流されるのはいやである、さりとて、それに逆らって旧時代にこだわりつづけるのはもっと愚かである、ということだ。
・無垢なまでにものごとの意味を問え。それが自分にとって役立つものであろうとなかろうと、社会にとって益のあるものであろうとなかろうと、「知りたい」という、自分の内側から湧いてくる渇望のようなものに素直に従え。
・いまを生きるわれわれの心の問題の多くは、「何も信じられない」というところに発しているのではないか。
・昔、全ての疑問について、何らかの制度・信仰が答えを用意してくれていた。ある意味で、信仰が生きていた時代のほうが幸せだったかもしれない。今、何かを選択しようとするたびに、自我と向き合わねばならない。
・人生とは、自分がどうすべきなのか選択せざるをえない瞬間の集積であり、それを乗り越えていくためには、何かを信じて答えを見つけねばならない。―自分。己、悩め、まじめに悩みぬけ。
・互いの間に何かの問いかけがあり、互いの間にそれに応える意欲がある。
・力になるものとは何なのかを問うていくと、究極的には個人の内面の充足、すなわち自我、心の問題に帰結する。他者、相互承認によってしか、自我はありえないのだ。
・自分が相手を承認して、自分も相手に承認される。


「まじめに悩みぬけ」か、---御意。


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