三国志 第三巻


名場面を一つに絞るには、惜しい。
第三巻では、中原を舞台にありとあらゆる人物の駆引きがいよいよ凄さを増す。




 三国志、総勢一千人以上。 ---君、誰になぞるも好し。


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 きっとあなたは、三国志の誰かに似てるはず。
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三国志の醍醐味は、この巻でも発揮される。
軍師と豪傑。




<第三巻の(kanjin78的)名場面>
西方の謀士。
曹操を破り、曹操を勝たせた男---賈詡の一場面。


「追ったら必ず手痛い目にあいますぞ」
賈詡は諫めたが、二将は追撃した。案の定、途中、屈強な伏兵にぶつかって、惨敗の上塗りをしてしまった。
賈詡は二将が懲りた顔をしているのを見て、
「---何をしているんです! 今こそ追撃する機会です。きっと大捷を博しましょう」
と励ました。
二の足ふんだが、賈詡があまり自信をもって励ますので、再び曹操の軍に追いついて、戦を挑むと、こんどは存分に勝って、凱旋をあげて帰った。
「実に妙だな。賈詡、いったい其許には、どうしてそのように、戦いの勝敗が、戦わぬ前にわかるのか」
後で、二将が訊くと、賈詡は笑って答えた。
「こんな程度は、兵学では初歩の初歩です。---第一回の追撃は敵も追撃されるのを予想していますから、策を授け、兵も強いのを残して、後ろに備えるのが常識の退却法です。が、---二度目となると、もう追いくる敵もあるまいと、強兵は前に立ち、弱兵は後となって、自然気もゆるみますから、その虚を追えば、必ず勝つなと信じたわけであります」


後世に神となった男---関羽の一場面。


時しも春。
河南の草も萌え、河北の山も淡青い。江風は温く、関羽の髯をなぶり、赤兎馬の鬣をそよ吹いていく。
久しく戦場に会わない赤兎馬は、きょうここに、呂布以来の騎り人を得、尾ぶるいしていなないた。
「退けや。関羽雲長の道をはばんで、むだな生命をすてるな」
やおら、八十二斤という彼の青龍刀は鞍上から左右の敵兵を、薙ぎはじめていた。
・・・(中略)・・・
その姿を「演義三国志」の原書は、こう書いている。
 香象の海をわたりて、波を開けるがごとく、大軍わかれて、当る者とてなき中を、薙ぎ払いてぞ通りける・・・。
・・・(中略)・・・
赤兎馬の尾が高く躍った。
一閃の赤電が、物を目がけて、雷撃してゆくような勢いだった。
顔良は、汝かっ」
それに対して、
「おっ、われこそは」
と、だけで、次を云いつづける間はなかった。



吉川英治


三国志(3)(吉川英治歴史時代文庫 35)

三国志(3)(吉川英治歴史時代文庫 35)



ためになる指数 ★★★☆☆
おもろー指数  ★★★★★



あと、6日で5巻、、、w