五輪書


吉川英治のその小説では、
1600年、天下分け目、関ヶ原の戦いにも参戦したという、
宮本武蔵、が書いた本。


う〜ん、その400年も前の本が、手元にあるとは、今もって想像がつかず。
とは言っても、講談社学術文庫ですがw




五輪の書の、"五輪"とは何か。
たぶん何かが五つ、ということか。


 書に曰く、
  地、水、火、風、空 の五つ。




少々脱線するが、
よく言う、風林火山は、武田信玄の旗印として有名であるが、出典は孫子兵法書
紀元前、こちらもまた想像もつかんが、2500年前に孫武の記した書に、その一節あり。


厳密に言うと、風林火山陰雷、みたいだが!@@



<孫子 軍争篇(抜粋)>
故其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山、難知如陰、動如雷震


ゆえにその疾(はや)きこと風のごとく、その徐(しず)かなること林のごとく、侵掠(しんりゃく)すること火のごとく、動かざること山のごとく、知り難きこと陰(いん)のごとく、動くこと雷震(らいしん)のごとし



五輪書
 即ち、 地、水、火、風、空、とは、おそらく、そんなことだろ〜な〜、と思ってた。




宮本武蔵
鎌田茂雄 訳


五輪書 (講談社学術文庫)

五輪書 (講談社学術文庫)



ためになる指数 ★★★★☆
おもろー指数  ★★★★☆


否、否。
宮本武蔵


俺の中では、吉川英治宮本武蔵の印象が大きいのだが、
己の修行の日々に苦悩する宮本村の武蔵(タケゾウ)が、五十歳にして到達した道の、渾身の力作。


彼の書を読んで感じたが、
彼は、強かった、というよりは、『勝つ』ということに対する執着が、人一倍、人二倍強烈であったということだろう。


言葉でも、位置でも、武器でも、足でも、高さでも、手でも、眼でも、---兵法の正しい道は勝つことにある、という至極まっとうな教え。


一人の戦国武将の、実体験に基づく言葉の数々を、ぜひ聞いていただきたい。
タケゾウさん、ごちそうさまでした>_<b



<一部引用(俺のレバレッジメモ)>
・彼の、強烈な体験に裏打ちされた言葉。
・"武士たるものは、おのれおのれが分際程は、兵の法をばつとむべき事なり。"
・まず何時でも役に立つように稽古することが大切である。
・どこまでも勝つことを目的としている。
・一人で十人に勝つ。一人で十人に勝てば、百人で千人に勝ち、千人で万人に勝つ。わが流派では、一人も万人も同じことと考え、武士の心得べき法をすべて兵法という。
・一人とやっているのとまったく同じようにし、けっして多人数を意識してはならない。何人いても現在、瞬間に相い対しているのは一人であり、このときのはたらきの跡を捨てて、つぎの人と闘うことになる。要するに十人と闘っても、瞬間、瞬間は一人であり、一人と闘う術そのままに徹してこそほんとうの持てる力を十二分に発揮することができる。
・武器をはじめとして区別して愛してはならぬ。必要以上に持ちすぎるのは、不足するのと同じことである。
・第九に、役にたたないことはしないこと。
・修行が未熟なうちは、よい技をしよう、うまく動こうと思うからかえってできなくなる。稽古をかさねてゆけば、思わずして無心に、無思に、これを行うことができるようになる。
・見の目だけで見ていては目先しか見えなくなる。観の目をとぎすましてこそ、遠いところが見えてくる。全体が見えてくる。未来が見えてくるのである。
・兵法の極意にいう、最善のかまえは中段にあると心得よ。
・受けること、うつこと、あたること、ねばること、さわることに思いをよせるならば、敵を斬ることはできない。何事も斬るためのきっかけであると思うことが大切である。
・"千里の道もひと足宛はこぶなり。"
・"けふはきのうふの我にかち、"
・"千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす。"
・"たとへば、敵のかかるといふかの字をおさへ、とぶといふとの字をおさへ、きるといふきの字のかしらをおさゆる、みなもつておなじ心なり。"
・心に迷いがなく、日々刻々に怠ることなく、心と意の二つの心をみがき、観と見の二つの眼をとぎすませ、少しもくもりなく、一切の迷いの雲が晴れわたった状態こそ、正しい空であるということができる。
・"一、我事において後悔せず。"
・"一、常に兵法の道をはなれず。"


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