宮本武蔵 第八巻


長々、と八巻目。
本巻は、いよいよその展開が、速度を上げる。
 正直に言うと、登場人物の名前とか、、だいぶ追いついて無い@@




行き着くところは、やはり巌流島。
諸説あるも、吉川英治で描かれるのは、努力人間 対 天才。
結末は、果たして。<第八巻の(kanjin78的)名場面>


 武蔵。同郷の友、又八と。



「苦しい時には、いつもおぬしを思い出すのだ。おぬしでさえ、やり越えて来たこと、おれに出来ぬわけはないと」
「そうだ。わしがしたこと。おぬしに出来ぬことはない」
 ・・・中略・・・
「艱苦に克ったすぐ後には、艱苦以上の快味がある。苦と快と、生きてゆく人間には、朝に夕に刻々に、たえず二つの波が相搏っている。その一方に狡く拠って、ただ安閑だけを偸もうとすれば、人生はない、生きてゆく快も味もない」


 下関。 関門海峡に浮かぶその島は、正式名 船島という。
 巌流島 by Wikipedia



「武蔵っ!」
二度いった。
沖鳴りが響いてくる。二人の足もとにも潮が騒いでいた。巌流は、答えない相手に対して、勢い声を張らないでいられなかった。
「怯れたか。策か。いずれにしても卑怯と見たぞ。―約束の刻限は疾く過ぎて、もう一刻の余も経つ。巌流は約を違えず、最前からこれにて待ちかねていた」
「・・・・・・・・・」
一乗寺下り松の時といい、三十三間堂の折といい、常に、故意に約束の刻をたがえて、敵の虚を突くことは、そもそも、汝のよく用いる兵法の手癖だ。―しかし、きょうはその手にのる巌流でもない。末代もの嗤いのたねとならぬよう潔く終るものと心支度して来い。―いざ来いっ、武蔵!」


吉川英治


宮本武蔵(八) (吉川英治歴史時代文庫)

宮本武蔵(八) (吉川英治歴史時代文庫)




ためになる指数 ★★☆☆☆
おもろー指数  ★★★☆☆




個人的には、吉川宮本武蔵は、前半がハラハラドキドキしたなぁ。
さて。 本当の武蔵を知るべく、五輪書を手に取ってみようかなぁ。




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