宮本武蔵 第一巻
1600年、天下分け目の戦い。 乱軍の中に、その人。
世に知られるその名前は、波乱の幕開けの中に名付けられたものだとは知らなんだ。
吉川英治三国志を読んでいる時に、書評などで、絶賛されていたその本を紐解く。
漫画バガボンドの原作も、吉川英治宮本武蔵とのこと。
俺が知っている彼は、
剣豪、画家、五輪書、二刀流、、。
それ以上なのか、その程度な人なのか、そして、何に生きたのか。
その生き様を知りたい!と思った。
吉川英治 著
- 作者: 吉川英治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1989/11/01
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とある地方。
---宮本村の、タケゾウ起つ!
路傍にたたずんで見ているうちに、武蔵は、自分もその粘土を捏ねてみたくなった。彼には、何かそういうことの好きな性質が幼少い時からあった。---茶碗くらい出来るような気がする。
だが、その一人のほうの六十ぢかい翁が、箆と指のあたまで、今、一個の茶碗になりかけている粘土をいじっているのを見ると、武蔵は、自分の不遜な気持がたしなめられた。
(これは、たいへんな技だ、あれまで行くには)
このごろ武蔵の心には、ままこういう感動を抱くことがあった。人の技、人の芸、何につけ優れたものに持つ尊敬である。
(自分には、似た物もできない)
はっきりと今も思う。見れば、細工場の片隅には、戸板をおいてそれへ皿、瓶、酒盃、水入れのような雑器に、安い値をつけて、清水詣での往来の者に傍ら売っているのである。---これほどな安焼物を作るにも、これほどな良心と三昧とをもってしているのかと思うと、武蔵は自分の志す剣の道が、まだまだ遠いものの気がした。
ためになる指数 ★★★★★
おもろー指数 ★★★★☆