三国志 第一巻
吉川英治 著
- 作者: 吉川英治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1989/04/11
- メディア: 文庫
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吉川三国志を読み返している。
この小説を2度、3度と読み返してるのは、私だけではないはず。
時より、横山漫画の絵を思い浮かべながら。
来月の検定^^;に向けて参考書も問題集もなく、
この吉川三国志、1本で臨みたいと思う。
三国志には、ほぼ同時代を生きた陳寿によって書かれた『三国志』と、
明の時代−日本の戦国時代くらいに書かれた小説『三国志演義』の物語がある。
諸説はあるのだが、
劉備を善玉、曹操を悪玉として書かれたのが『三国志演義』。
そして、吉川三国志は、その『三国志演義』に基づく。
検定までの、2〜3週間で、その吉川三国志の各巻毎での、
個人的な名場面、を勝手に引用しつつ、三国志の魅力を紹介していきたい。
余談だが、正史『三国志』には、かの国の記載がある。
一般には、小学校か中学校の歴史で習ったが、、通称『魏志倭人伝』(これは『三国志』の一部)に、その記載があると。
邪馬台国。−その国の内乱は、一人の少女、卑弥呼によって鎮められたのだそうだ。
女王卑弥呼は、中国の皇帝に「親魏倭王」と呼ばれることになる。
この時の中国の皇帝とは、即ち、三国志の英雄 曹操の孫、曹叡であるというところにもまた、三国志と日本の繋がりを思い知らされる。
<第一巻の(kanjin78的)名場面>
橋玄から「乱世を治めるものは君である」と評され、また、許劭(許子将)から「治世の能臣、乱世の奸雄」と言わしめた、時の人−曹操の一場面。
「アア我誤てり。----かりそめにも、将たる者は、死を軽んずべきではない。もしゆうべから暁の間に、自害していたら、この部下たちをどんなに悲しませたろう」と、痛感した。
「訓えられた。訓えられた」と彼は心で繰返した。
敗戦に訓えられたことは大きい。得がたい体験であったと思う。
「戦にも、負けてみるがいい。敗れて初めて覚り得るものがある」
負け惜しみでなくそう思った。
一万の兵、余すところ、わずか五百騎、しかし、再起の希望は、決して失われていない。
・・・(中略)・・・
途すがら、耿々の星を仰ぐたびに、彼はひとり呟いた。
「----君は乱世の奸雄だと、かつて予言者がおれにいった。おれは満足して起った。 よろしい、天よ、百難をわれに与えよ、奸雄たらずとも、必ず天下の一雄になってみせる」
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