日本経済を襲う二つの波


リチャード・クー著




彼を、気に入った。
かなり感情的に、記載される文章に。
批判、不満の表し方が潔い。




サブプライムローン問題の危機の脱し方、をわかりやすく述べている。
問題に至った経緯、と、これから。
バランスシート不況、という単語を使いながら、その現在を説明する。


今まで「住宅」を資産として、2世代3世代と代々、その富を引き継いできた、米国。一連の問題で、その「住宅」の価値がゼロとなった。資産を作りにお金が向かい(−貯蓄)、お金が回らず、貸し渋り金利下げても、借り手無し。残すは、財政出動のみ。と、風が吹けば桶屋が儲かる的な、リズムで紐解く。
さらに、日本の住宅事情までに踏み込む。この国の欠陥は、住宅を作っては壊し作っては壊し、富の上に富が蓄積されない構造だ、よって日本人は欧米よりリッチになれていない、と。




今まで、あまり意識しなかった、選挙と経済、発言と景気、の一端も理解できたような。自民党民主党どっちが何をやろうとしているのか、というより、麻生さんと小沢さん、それぞれ何をやろうとしているのか。政党ではなく"その人"の意見を参考に政治を理解した方がよさそうなことが、ようやく分ってきた。
財政再建?、財政出動(公的資金投入、工事、減税)?、ん〜、大統領選の行方と次回国内選挙が、今まで以上に、気になるわけで。



ためになる指数 ★★★★☆
おもろー指数  ★★★☆☆




本日のセミナーの木村さんと、本のクーさん、共通の話題はこう。
「米国でも日本でも空前の貸し渋りブーム。少なくとも良いブームではない。銀行、企業、個人。プレイヤーの各々が自らの借金返済(バランスシートの修復)に向かう、つまり金が回らない。これを回すのは各国の政策にかかっている。」