覇王の夢
津本陽(著)
- 作者: 津本陽
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/08
- メディア: 文庫
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"覇王"とは信長のことだ。
昨夜、テレビ東京の「新説!?日本ミステリー」という番組で、『長篠の戦いは無かった!?』というのを見た。
この番組は、いわゆる通説である学校の教科書に載っている歴史を否定し、新説を説明する番組で、いくつかの証拠を元にまとめられているので歴史好きには格別のおもしろさがある。
例に漏れず、織田信長が鉄砲隊を率いて武田家を破った長篠の戦いやそもそも戦国最強と言われた武田騎馬隊は無かった、と日記の文章等の証拠を用いて説明され、ショックを隠せず。。
しかし、
歴史は、解釈である。
表題の、ではこう。 <一部抜粋>
「武田勝頼の一万五千の騎馬軍団を、騎馬戦に不利な起伏の多い設楽原に謀略を用いておびき出し、潰滅させた。信長は馬防柵を用い、殺到する騎馬隊に三千五百挺の鉄砲を三手に分ち射撃させ、一万二千余人を討ちとった。・・・信長がこのときおこなったのと同規模の銃撃戦がヨーロッパではじめてあったのは、三十年戦役の後期であったという。設楽原の戦いよりも六十年ほぼ遅れたようである。つまり、信長は世界陸戦史における新記録をつくったことになる。」
これでこそ信長、と勝手に満足。
その彼の、途方もない夢、とは。
ためになる指数 ★☆☆☆☆
おもろー指数 ★★★☆☆
この小説は、淡々と歴史の説明を受けているようで、登場人物に感情移入できる歴史小説ではない。語り口は、さも、その第六天魔王信長を近臣の怯える目から見たような。
次に読もうとしている歴史小説は、"密謀" By 藤沢周平。
来年の大河"天地人"の、上杉景勝、直江兼継の物語。
さて、その解釈はいかに。