宮本武蔵 第四巻


吉川英治


宮本武蔵(四) (吉川英治歴史時代文庫)

宮本武蔵(四) (吉川英治歴史時代文庫)


ためになる指数 ★★★★☆
おもろー指数  ★★★★★





宮本武蔵という題名ながら、
当然、武蔵一人、を延々と描いているわけではない。


又八、お通、城太郎、朱美、小次郎、、、
三国志の千人とはいかないまでも、多くの人間達が絡み合う。




関ヶ原の戦いの落ち武者、武蔵が、最も敵としたのは恋心か。
神では無い、人間武蔵の戦いは尽きない。




本巻では、「死闘」と言って差し支えないと思うが、
京都は、一乗寺下り松の、その死闘。 その数 --- 人間1人 対 70人


京都で、行って見たい観光名所が増えたなぁ〜^^  一乗寺下り松





けれど武蔵は、その中でもかつて沢庵のいった―
(真に生命を愛する者こそ、真の勇者である)
という言葉を決して忘失してしまっているわけではない。
(この生命!)
そしてまた、
(二度と生れ難いこの人生!)
を、今も、ひしと五体のうちに抱きしめているのであった。
だが。
―生命を愛する。
ということは、単に無為飽食を守っているということとはたいへんに意味が違う。だらだら長生きを考えるということではさらさらない。いかにしてこの二度と抱きしめることのできない生命との余儀なきわかれにも、そのいのちに意義あらしめるか―価値あらしめるか―捨てるまでも、鏘然とこの世に意義ある生命の光芒を曳くか。
・・・中略・・・
人間のすべての事業は、創業の時が大事で難しいとされているが、生命だけは、終わる時、捨てる時が最もむずかしい。―それによって、その全生涯が定まるし、また、泡沫になるか、永久の光芒になるか、生命の長短も決まるからである。


若干二十歳、侍とはどう死べきかを考える。


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